脳幹出血 闘病体験記

二次救急病院 集中治療室(ICU)



・・・・・天国にいちばん近い部屋・・・・・


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<集中治療室(ICU)>

 何処に居るんだろうか一瞬意識が戻った、慌しく看護師が出入りしている、小生の横を通る度に看護師さん達は小生の目にライトを当てて瞳孔を調べていた。看護師さんに「俺は生きている、死んでない」と叫びたいが悲しいかな声が全然出ない、遠くの方で内容は分からないが親父の声がした事をかすかに覚えている。また意識が無くなる。

 小生の意識が無い間CT検査やMRI検査などを行ったようだその時小生は生死をさ迷いながら夢の中で自宅で子どもたちの世話をしていた。後から聞いた事だが、小生の意識が無い時に妻は主治医から「全力を尽くしますが覚悟をしておいて下さい、もし助かっても寝たきりだと思うしかなりの脳障害が残ると思います」とドラマの様なセリフを言われていたそうだ。

 気管切開などの同意も全て妻にさせてしまった。意識が無いとはいえ、何という妻不幸な男だ。(病気になった事が家族不幸だ) どれ位の時間が流れたのだろうか小生はベッドの上で目を覚ました、その時自分がICUに居るなどと考えもしなかった、意識は無いが夢は見ていた変な夢でどんな夢だったか書きたいが表現に出来ない様な夢だったがとにかく苦しく、嫌な、変な、辛い感じの夢だった。

 唯一1つ1番嫌だった夢を上げるとすれば小生はいつも部屋の上に置かれたベッドに拘束されていた。拘束されていながら下を見るとそこにはベッドに横たわる自分が居た。

 初めて目が覚めた時はベッド上の非常燈の走っている人間の絵が本当に走り出したのを覚えている、看護師の声も聞こえていたが自分が倒れた事など全く覚えていない。そんな日々が何日か続き、ある日眠りに着いたのか気を失ったのか分からないがまた嫌な嫌な夢に魘される。
 
 次に気が付いた時、小生の視線の先に白衣を着た妻が手を振っていた。小生は「何であんな変な格好をしているんだ」と思ったが妻が枕元に来て涙声で話しをした時大体の察しはついた。 小生はまだ声が出なかった(夢では北朝鮮で声帯を取られたんだが実際は気管切開をしていて咽喉には何か器具が入っていた。)

 この時から意識は完全に戻ったがICUに居るという事以外は自分の置かれている立場などは分からなかった。気が付いたかと思えばまた気を失って意識が無くなった、夢の中で拘束されている時に何処からか妻と子どもの声がして、ハッと嫌な夢から連れ戻された、枕元には妻が居た、この時完璧にこの世に戻った気がした。 ICUは1日3回のみ10時、15時、18時と15分程度の面会しか出来ないし、まして自分の子どもでも入る事が出来なかった。当然身内以外は駄目だった。

  面会時間が近づくと看護師さん達は慌しく動き回った。面会時間以外はストレチャーに乗せられて高気圧酸素治療に行ったりとほとんど病室には居なかった。ICUでは面会時間は他の患者さんの面会の人が「お父さん、来ましたよ どうですか?お父さん、お父さん」と意識の無い患者に一生懸命に声をかけていたのや心電図のピピ、ピと言う音が印象に残っている。多分いやきっと小生も意識が無いときは妻や家族があんな風に声を掛けてくれたので、生死をさ迷うときに何処から聞こえるか分からない声に誘導されてこの世に戻れたんだと思う。  

 ICUに居た時からPT、OTは衛生着を着て来てくれた、一度車椅子に座らされているとき苦しくてもうこのまま死ぬんだと思っていたらPTが来て「どうしたん、真っ赤な顔して、死にそうや」と看護師さんに言ってくれて命拾いした事があった。

 救急車で運ばれてどの位の時間が過ぎたのかは分からないが主治医からそろそろ「普通病棟に移ろうかな」と言われた。この日妻と散歩に出た散歩に出たといっても車椅子には点滴をつるして、体中チューブだらけだったが楽しかった小生はまだ自分が身障者とは気づいていなかったもう直ぐ退院して今まで通りの生活に戻れると信じていた。

後に小生が感じた事は「映画(小説)のタイトルじゃないけど、「ICUは天国にいちばん近い部屋」・・・・

※PT⇒理学療法士
※OT⇒作業療法士
MRI CT
 高気圧酸素療法
個人用純酸素加圧式第1種治療装置(高気圧酸素治療装置)
 <高気圧酸素治療について>
※高気圧酸素治療装置を用いて大気圧よりも高い環境をつくり、その中で患者さまに高濃度の酸素を吸入して頂き、酸素の圧力を高めて酸素の移動スピードを速め、血液中に溶解する酸素の量を増加させて各組織に十分な酸素を供給し、各臓器や組織の低酸素状態を改善させて疾患の治療に効果をあげようとするものです。1回の治療時間は80分程です。加圧時に耳の違和感がありますが、ほとんど痛みを伴わず非襲侵的に行われます。適応は低酸素症を伴う外科的疾患、内科的疾患に広く適用されます。
(高気圧酸素治療については僕の運ばれた救急病院の冊子より引用)



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